どうしてこんなとこに居るかというと「独り言」を見てもらえば分かります。早朝の快適な道を気の赴くまま飛ばすと気づいたら三重県でした。ちなみに走行距離は77.7Kmでした。何かいいことあるかもよ、とか思いつつバイクを降り散策の準備をしました。突発的な行動であったのに、ちゃっかりカメラと三脚は携帯してるところは流石です。どこかで観光マップとかをもらおうと思ったけど到着したのがまだ6時半だったんで辺りは静寂そのもの。ようやく商店が開店準備をし始めたのは7時ごろ。そこのおばあちゃんと少しお喋りをしてから出発しました。
赤目四十八滝は自然たっぷりマイナスイオンたっぷりの深山幽谷な場所で癒し系スポットです。日常生活で疲れた心身(徹夜のため体は本当にしんどい)を癒すにはもってこい。サンショウウオセンターを横目にゴールの巌窟滝を目指します。
霊蛇滝(れいじゃだき)
まず最初に登場する滝です。こう見えて滝つぼの深さは7mもあるらしいです。人間と同じで見かけによらないものですね。
不動滝(ふどうだき)
緑のトンネルをしばらく歩いていると急に辺りが開けて不動滝が現れます。水が勢い良く流れ落ちる姿は圧巻です。
ずっとこんな感じの道をひたすら歩き続けます。サンショウウオは夜行性で日中は岩陰に隠れているらしいのですが、夜が明けてからも行動しているやつがたまに居るらしいので注意しながら歩きました。.................が、見つからず。
途中とても綺麗な滝つぼがありました。一言で水色と呼ぶには気が引けてしまいそう。なんとも言いがたい奥深い色でした。浅い部分は千草色で深くなるにつれ新橋色、藍色と表情を変える姿にしばし見とれてしまいました。写真では分かりにくいですが実際は本当に綺麗なんです。
雨降滝(あめふりだき)
こんな滝もあるんですね。始めて知りました。普通滝というと勢い良く水が落ちる様を想像しちゃうんですが、この滝は岩肌から雫がポツポツっと滴り落ちるんです。雨が降っても雫の一粒一粒をまじまじと見ることなんてなかったし、ましてや自分目掛けて落ちてくる雫を真下から見上げることなんてなかったんで少し不思議な感じがしました。イトオカシキコトニケリ。
しばらく歩くとようやく谷間にも光が差し込んでくるようになりました。鬱蒼としていた森も自ら輝き始め朝を告げる。
荷担滝(にないだき)
このすぐ上にも滝があり、高所から眺めると連続する滝の景観を楽しめます。
琵琶滝(びわだき)
周りを絶壁に囲まれていて遊歩道も最も険しくなります。遊歩道途中から滝を見下ろすと、滝の名前の由来となった深い蒼色の琵琶形の滝つぼが見えます。
巌窟滝(がんくつだき)
赤目四十八滝最後の滝です。滝の中間に巌窟があることに由来します。
ここからは来た道をまた戻らなければなりません。徹夜明けの山登りはさすがに堪えました。下ろしたての皮パンで石の上によっこらしょ。しばしうつむいて体力チャージ。さあ出発とふと横を見ると、あっ!キノコだ。しかも美味しそう。味噌汁なんかに入れるともう最高。しんどさで忘れていた空腹感が呼び覚まされました。急いで下山~。
布曳滝(ぬのびきだき)
今回一番お気に入りのとても美しい滝です。真っ直ぐそのまま落ちずに途中でひねりがあって太さを増して落ちる。かなり芸術点が高いです。そしてもう一つ凄いところは、ここの滝つぼは深さが30mもあるらしいです。固い岩盤を長年かけて削ったんでしょうが、石の上に3年くらいの努力じゃ全然足りません。こうしてみると自然の力というのは本当に凄いですね。皆さん大切にしましょう。
登山口まで戻るとサンショウウオセンターが開いてました。ここでは両生類系の生体が展示されていました。僕は久しぶりに彼の姿を見ました。そうです、ウーパールーパー君です。昔はやりましたよね。横についている耳?をピクピクさせるんです。たまりません.....。この手の生き物が苦手な人も居るようなので画像は小さめで。
いくら探しても発見できなかったオオサンショウウオ。やっと会えました。あご乗せてバランスとってはる......。国の特別天然記念物で彼らにまつわるニュースをたまに耳にします。砂防提から落っこちたサンショウウオが上流に戻れなくて産卵できないとか、どこかの高校生がDNAの塩基配列を解析してそれを音符に変換して音楽にしたとか、守られて増えすぎたサンショウウオが川の生態系の頂点に君臨して川魚を食い荒らして漁業関係者を困らせているとか。守り過ぎるのも問題になるし、だからといって放ったらかしにも出来ないし。難しい問題ですよね。
朝のおばあちゃんの店でちょっと早めの昼食を食べてから、近くの旅館の温泉に行きました。日帰り入浴なのにけっこうしました....。でもそのぶんインテリアや空間に凝っていて楽しめたし貸切状態だったからいいけど。これは脱衣所の小洒落た洗面鉢です。焼き物とドイツっぽいデザインの蛇口がバランスよくマッチしています。温泉でくつろいで、極めて安全運転で昼過ぎに帰りました。今日はたった半日なのにとてもたくさんの人と話をしました。早朝のコンビニで会ったハーレー乗りのおじさん、食堂のおばあちゃんA.B、観光客A.B.C.D.E。旅先のちょっとした出会いってやっぱいいですね。走行距離通りの777な日でした。