学食で昼ごはんを食べ、自転車置き場に向かおうとしたら、プリズムの前に何やら長蛇の列ができてました。気になったんでとりあえず並んでみました。周囲には出席がどうのこうのと話している学生がいたのでおそらく講義の類いだということは分かりました。列が進むにつれやっと何に並んでたか発覚。どこぞの情報理工学部の教授が、今週の授業は講演会にあてるから出席するように、と言ったらしく、出席を書き込む列でした。通りすがりの僕は並ぶ必要がまったくありませんでした。その講演会のテーマは「昆虫の脳にひそむ知の仕組み」でした。面白そうだし、せっかくなのでちょいと聴講してきました。
内容は、脳も体も微小な昆虫、この制限要因と思われる条件の中で、いかにして昆虫は神経機構と適応行動を進化させてきたか。それを研究してできた昆虫モデルを技術的にいかにいかせるかというものでした。
印象に残ったのが昆虫の行動パターンの検証。限られた容量の脳しか持たない昆虫は、ほぼ全ての行動がプログラムで決められていて、Aという信号がきたらBという結果を出す。といった簡単なプログラムの連続で昆虫の行動は決まっているみたいです。その信号を受信する場所が触覚や眼といったセンサーで、受信した信号は神経系を伝わり各筋肉を動かし結果を出す。なるほど、確かに立派な一つのプログラムになっています。今まで昆虫に対して持っている僕の知識は、蜂の巣を突付いたら反撃を食らうとか、甘いものをほったらかしにしてると蟻が寄って集るとか、経験に基づいたどうでもいいことです。しかし、それを体系化することで一つの学問にちゃんとなるんですね。何事もまずは日常的な観察からってことですか。
予定があったので途中で部屋を出てしまいましたが、大学にいて久しぶりに新鮮な空気が吸えたひと時でした。