昨日雨だったから朝から晴れる事を願ってたんですが、空はあいかわらず曇りです。簡単に朝食をとり、チェックアウトを済ませ、昨日は時間が遅くて中を見れなかった聖霊養老院へ向かいました。13世紀にハンザ貿易で富を築いた商人たちによって建てられた救貧院で、現在は老人ホームとして使用されているそうです。時代が変わっても社会奉仕的性格に変わりないのは素晴らしい事だと思います。
街のはずれにある聖霊養老院
門をくぐるとまずチャペルがあります。
さらにその奥へ行くと住居部分があります。現在も使用されているため、これ以上は進めません。奥に長いんですね。
この日の目的地はツェレ。本当はまだまだリューベックに居たいけど、それを言い出したらキリが無いんで、後ろ髪を引っ張られつつも駅に向かいました。
街を取り囲む運河を渡り、門をくぐればリューベックとはさよならです。最後に振り返ってすばらしい町並みを脳裏に焼きつかせました。
直接ツェレに向かうと少々到着が早くなりすぎるので、途中
リューネブルクに寄りました。リューネブルクは日本でいう超ど田舎にあり、交通の便も良いとはいえず、日本なら廃退しきっているところですが、ヨーロッパでは違うんですね。むしろ田舎であることがアドバンテージになって独自の魅力を放っているから、それに魅了された人たちが集まって活気があるんです。僕もそのうちの一人です。別にこれといった観光産業があるわけではないのに、ふらっと立ち寄りたくなるんですよね。ただ町並みを眺めながら、気の向くままに歩き回る。うろうろしていたら偶然の出会いがあるかもしれないし、無いかもしれない。この細い道に入ったら行き止まりかもしれない。でも、そのときは引き返せばいい。そんな気ままな旅が自分には合ってるんです。だから、今まで一度もツアー旅行ってやつには参加した事が無いんですよね。それはさておき、ここからはそんな気ままな街歩きの中で出会った偶然の風景を中心にリューネブルクを紹介したいと思います。
まず出迎えてくれるのは古いクレーン。街のシンボルになっているようです。
休憩がてら立ち寄った教会の前に停まっていたアルファロメオ。奇抜なデザインでもヨーロッパの町並みには意外と溶け込むんですね。
市庁舎前の広場です。
足元に目をやると敷き詰められた石畳の隙間から、ぴょこんと顔を出す草の芽が。
日本と違って雨水が道の中央に集まるようになってるんですね。これだと玄関前に溝がいらないからスッキリする!
軽快車でもマグラの油圧ブレーキが標準装備!
他人の家だけど心配なくらい傾いてます。地震の無い国だからこれでもいいんですかね。
旧市街をぐるっと一回りして、再び中心に戻ってきました。
前もって時刻表で調べておいたツェレ行きの列車まで残り30分。急に雨も降り出したので、急ぎ足で駅に向かいました。
リューネブルクから
ツェレまではあっという間です。居眠りする時間もありませんでした。ツェレに到着したらまずしなければならないこと、それは宿探しです。幸い旧市街にインフォメーションがあります。しかし、あと1時間もすれば閉まってしまう。駅から旧市街までは少し距離があるのでまたも速歩きです。なんとか時間内にインフォに到着し、とっても親切な係りのお姉さんに宿を探してもらいました。こちらの注文は、「街の中心まで徒歩5分以内で一晩35ユーロ以下で朝食つき」。この街の相場からすると相当安めの注文だったんですが、言ってみるもんです。お姉さんは即答で「あるわよ!」とのこと。宿に確認の電話を入れて確認書と、ついでに市街地図をもらって、宿に向かいました。北ドイツの真珠と呼ばれる町並みを見ながら、本当に5分くらいで到着しました。部屋はキレイだし、ドイツには珍しくバスタブつきで大満足!出歩く準備をさっさと済ませ、即街歩きです。朝から歩き回ってるんで疲れてはいるんですが、それ以上に早く街を見たい!という一心です。街自体はそれほど大きくないんで(たぶん今通ってる大学の敷地より狭い)、組まなく歩き回りました。途中Penny Markt(スーパー)を見つけたので、バゲットとサラミとハヌータ(ビックリマンチョコみたいなの)とビール(これらは電車の中で食べたりする)を買出し、ちょうどお腹もすいてきたので目に付いたイタリアンレストランに入りました。食事をして店から出ると、日が落ち夜景撮影にぴったしの時間になっていました。三脚を持ってきてなかったので慌てて宿にとりに帰り、あとはひたすら撮影してました。
じゃんけんに負け、買い物袋を持たされ少々ご機嫌ななめな連れ。
レストランでは普通先に飲み物のオーダーをとりにくるんですが、考えるのが面倒なんで毎日ビールです。ドイツのビールは、ビールがあまり好きでない連れでもおいしいと言って飲んでました。
夜のツェレはかなりメルヘンチックです。まぁ野郎2人なんですけどね(しつこい)。
ほぼ全ての家の木枠の部分には、建てられた当時の家主の名前や格言が書かれています。ラテン語で書かれているみたいなので読めませんが、聞いた話によると結構ジョーク的な内容らしいです。
宿に戻った頃には2人ともぐったりです。スーパーで買って冷蔵庫で冷やしておいたビール(これは54セントでした。安い!)を風呂上りに飲み、気持ちよくなったところで就寝です。
この日は移動の連続で時間的にもハードな感じがしますが、意外とそうでもないんですよ。歩き回るっていっても、どこも本当に小さな街なんで、じっくり見ても1時間強で一通り見終えてしまうんです。そんな小さな街は知名度も低くて、ミュンヘンやベルリンのような大都市に観光客を取られがちです。でも田舎の小さな街でも、大都市にひけをとらない魅力がつまってるんです。ツェレなんかは個人的にはドイツで最も木組みのファサードが美しい街だと思います。おきまりの大都市観光に飽きた人は、ぜひ田舎の街に行ってみてください。